光ファイバ給電技術

光ファイバは通信に広く用いられているが,信号と一緒に光をエネルギーとして伝送すると給電も行える.これにより,1本の光ファイバで遠隔地の通信機器との通信だけでなく,駆動も行うことが可能になる.我々の研究室では,モバイル通信向けの無線基地局までの光ファイバ回線を用いて,モバイル通信用の信号と基地局の単独駆動が可能な光ファイバ給電技術の研究開発を行っている.独自のコア2重構造を有するダブルクラッド光ファイバを用いて,これまでの技術では不可能であった40 Wを超える電気電力の給電とモバイル通信用の信号の同時伝送に成功している.


空孔コアファイバ伝送技術

これまでの光ファイバはガラスで構成されていたため,ガラス内の分極によって発生する非線形現象や入力光パワー限界,屈折率に起因する伝搬遅延などの問題があった.これに対し,近年,光信号の通り道であるコアが空気で構成された空孔コアファイバが注目を集めている.我々の研究室では,空孔コアファイバを用いた伝送技術や応用技術の研究開発を行っている.空孔コアファイバの超低非線形を活かし,これまでの光ファイバでは不可能であった1 Wを超える光信号の高品質伝送実験に成功している.


光給電ドローン技術

現在,ドローンは様々な応用分野で使用されているが,災害やイベント時に地上基地局の代替局として,空中基地局への導入が検討されている.しかし,ドローンはバッテリ容量によって飛翔時間に制限があるため,これを克服する新たな手段として,光ファイバ給電で駆動する光給電ドローンの研究開発を行っている.給電だけでなく,ドローンの制御も光ファイバ通信で行うことで,無誘導の回線のみが接続された空中基地局を実現することが可能である.これまでに,光ファイバを用いて駆動する小型サイズの飛翔実験やドローン制御にも成功している.


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